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勃起はどうやって起こるの?

勃起は生理的な現象の1つですが、その裏ではさまざまなシステムが複雑に働いています。EDを理解するためにも、勃起のメカニズムについて学んでみましょう。

◆勃起するためには「神経系」が不可欠

勃起には、性的刺激を受けた時に起こるものと、いわゆる「朝立ち」のような生理的なものの2種類があります。後者は体が何らかのストレスを解消するために起こると考えられており、性的刺激とは無関係です。

一方、性交時における勃起には性的刺激が不可欠になります。ちなみに視覚や聴覚といった刺激で起こるものを「中枢性勃起」、下半身への物理的な刺激によって起こるものを「反射性勃起」といい、両者ではシステムがやや異なります。

中枢性勃起では、性的刺激を感知するのは脳ですので、それが脊髄神経を伝わって陰茎へと届きます。反射性勃起の場合は、脊髄の勃起中枢が直接刺激されるという仕組みです。 しかしいずれにしても、勃起が起こるためには神経系が必須だといえます。

◆平滑筋の弛緩と、陰茎動脈の拡張

勃起に関わる神経が刺激されると、それが合図となって陰茎動脈が拡張し、陰茎海綿体に多量の血液が流れ込みます。こうして陰茎海綿体が硬く膨張した状態が勃起です。 しかしそのためには、いくつかの条件が整う必要があります。

通常、陰茎動脈は「平滑筋」という筋肉によって閉じられ、海綿体に血液が入ってこられないようになっています。しかし性的刺激が陰茎に届くと、神経から一酸化窒素が放出され、これがシグナルとなって「サイクリックGMP」という物質が増えます。サイクリックGMPが増えると、平滑筋が弛緩するようにできているのです。

しかし陰茎には、「PDE5(ホスホジエステラーゼ5)」という、サイクリックGMPを分解してしまう酵素が存在します。性的興奮が収まると勃起も収束するのは、この酵素のおかげなのですが、性交時にはむしろ厄介な存在となってしまいます。 PDE5の量が多すぎると、サイクリックGMPがうまく増えないために平滑筋がゆるまず、勃起が起こらなくなるのです。

バイアグラなどのED治療薬は、まさにこの酵素をブロックするための薬であり、正式には「PDE5阻害薬」と呼ばれます。ただし血管以前に神経系にダメージがある場合は、ED治療薬では効果を期待できません。

◆勃起の維持と、筋肉収縮による射精

こうして無事に勃起が起こると、今度は流入した血液が出ていかないよう、静脈が閉じます。これによって勃起状態を維持することができるのです。 ちなみに静脈の閉塞が十分でない場合は、勃起してもすぐに萎えてしまう「静脈性ED」になる可能性があります。

このように血液の移動によって勃起は起こるのですが、射精は筋肉の収縮によって起こります。性的興奮がきわまると、尿道括約筋や海綿体筋などが収縮し、精液が押し出される形で尿道口から射精に至ります。